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PARADISE building
晩翠橋のほとりに聳え立つ、街の新たなシンボル
那珂川に架かる晩翠橋の傍らに、ひときわ目を引く建築を計画した。それは、地元の人々に親しまれてきたこの場所に、新たなランドマークとなることを目指した、バベルの塔を彷彿とさせるデザインの複合施設である。
当初は壮大な計画だったが、コロナ禍の影響を受け、規模を縮小。しかし、晩翠橋からの美しい眺望を最大限に活かすという設計思想は変わることなく、塔のイメージを継承している。将来的な拡張も視野に入れた配置計画により、段階的な発展も可能とした。
建物は、地域住民が気軽に利用できる多目的ホール(1階)、香り高いコーヒーと専門知識を学べるカフェ兼バリスタ養成学校(2階)、そして機能的なオフィス空間(3・4階)で構成される。
特筆すべきは、各階の天井高を意図的に変えることで生み出された、約20mという印象的な高さである。4層でありながら、その垂直性がバベルの塔を想起させ、街の景観に新たな彩りを添える。
この建築は、単なる建物としてだけでなく、地域の人々の交流拠点となり、愛され続ける街のシンボルとなることを目指している。
構造:我伊野構造設計室
施工:クオリート+槐工務店
写真:木田勝久/fototeca